蝶々みたいな形をしたチギリ(契り・千切り)。↑これうちのまな板(笑)
テーブルの天板なんかによく見かけますが、これがあるだけでとてもオシャレな感じですし私も大好きでよく使います。
実は木の割れた部分とか接合部の補強のためなのですが、あまりに見た目もいいので、板のヒビなどがあった場合は「やった!チギリが入れられる」くらいに喜んでやってますw
けっこう面倒で難しい作業のように思えますが、道具があれば、簡単で、下準備さえできていれば、板にチギリを入れる作業は30分もあればできちゃうんですよ。
千切りの作り方、付け方|木工家具のデザイン性UP!
まずは千切りの蝶々をつくるための固定ジグをつくります。
他のサイトにはもっとしっかりしたものを作っていますが、素人が千切りを量産するほど使うわけではないので、10~20個も作れば十分ですし、冶具も簡単にすませます。
適当な直角が出ている板切れに、千切りの切れ込み角度となる斜め線を角度定規でいれます。
これが角度定規。デジタル式とかもあります。
チギリの角度はだいたい14度が良いようです。( ゚Д゚)ナゼ14°!?
私も60mm×30mmのチギリで14度の角度にしています。
今回は、小さい千切りをつくるので20度にしてみます。
千切りの大きさは、長さ40mm幅25mmとします。
まず適当に傾斜20度に引いた線に沿わせて、これまた適当な木っ端材Aを固定します。
それから直角に切った木っ端材BをAと直角に固定しますが、 このとき、契りを添わせる緑線の長さを、契りの長さ+0.5mmくらいわずかに長めになるようにします。つまり、ここでは40.5mm。そうしないと、千切り材の角がジグより下に出っ張ってしまうからです。
千切りに使う木材選びとカット作業
千切りに使う木材は、通常、千切りを使わなければならない板材よりも硬いものとなります。そして、天板とのアクセントも考慮して、濃い色の材が理想です。
で、もうほぼ黒檀の一択で良いとおもっています。
ほかにもローズウッドや紫檀・ケヤキなどありますが、黒檀ブラックが一番かっこいいです。
黒檀板は厚みが15~20mmくらいで、なるべく幅広の板をヤフオクとかで選びます。
幅広でないとたくさん作るのに面倒になります。
まず、木目と直角に千切りの長さ(40mm)に合わせて横切りにカット。
横切りカットしたものを、こんどは木目方向にチギリの幅(25mm)ぶんだけカットします。
木目の方向に注意です。これが逆になると、千切りの強度が出ません。
チギリの切れ込みを入れる
ここで丸ノコテーブルやテーブルソーが必要になります。
テーブルソーは、ホーム用で安いものは2万円くらいで購入できます。
先程作ったジグをマイターに固定しますが、丸ノコの刃はとりあえず30mmほど出しておきます。
ちょうどチギリのコーナーをカットする位置に固定です。
試し切りします。
片方切ったら、ひっくり返してもう片方に丸ノコを入れます。
もうちょっと刃を出してもよさそうですね。
ぴったりいけばきれいに切れます。
とにかくこのジグは、チギリの小さな材料を手で押さえてなければなりませんから、細心の注意を払いながら作業してください。
もちろん、革グローブ・マスク・防塵メガネなど着用のこと。
このくらい作っておけば、素人木工ならもう十分でしょう。
チギリ穴用の型枠を作っておく
2回以上チギリを使うなら、アナあけ用の型枠も作っておきます。
まずは適当な大きさの2-3mm厚のシナベニヤなどにチギリを鉛筆でトレースします。
鉛筆の墨線よりも1mmほど内側をノミであけていきます。
これでOK
今後新たにチギリを入れる場合は、これまでの作業はもう不要になります。
ここから先の作業だけでチギリを簡単に入れることができます。
チギリを実際に板に埋める
まずは鉛筆でチギリを入れる場所をトレースします。
先程作ったベニヤの型枠をあてがって、トリマーで穴を開けていきます。
穴の深さは、10-15mm以上くらいでしょうか。黒檀の厚み以下に抑えます。
トリマーに使うストレートビットは、べニア板に沿わせるためのガイドリングが付いたものを使います。(大日商さん切れ味良!)
あとはノミできれいに仕上げます。
ノミはまっすぐに立ててゲンノウでたたいていきます。
ポイントは、鉛筆の墨線よりやや内側ギリギリのところを狙います。
ゆるすぎると、チギリをはめたときにスカスカになります。
チギリをボンド付けしていきますが、まずは、チギリの底面の四隅をわずかに角を落としておきます。わずかです。
そして、手で実際にはめてみてください。(コーナーが尖っていると、しっかり底まで入らなかったり、抜くときに木が割れたりします)
けっこうキツイ感じならOKです。
ボンドを程よく塗って、チギリにあて木をしながら木槌で叩き込んでいきます。
あまり力いっぱいにたたくと割れることもあるので、ほどよく!
ボンドがもしでてきたら、水拭きとかせずにそのまま放置です。
ボンドが乾いたら、チギリの出っ張りをトリマーでさらっていきます。
べニアなどをガイドがわりにします。
トリマーは慎重に時計回りにゆっくりカットします。
ここで黒檀が割れることもありますので気を付けて!
トリマーがなくても、アサリの無いノコギリでカットして、台直しカンナ(直角カンナ)で削ってもOK!
仕上げはペーパーをかければきれいになります。
黒檀のクズが白い板の木目に入って行ったりしますので、ご注意を。
直角カンナがあれば最良!
以上、チギリの作り方でした。